ボウエン嬢と夢見るイヤフォン

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映画『オブリビオン』レビュー

先々月の23日にトム・クルーズ主演の映画、
『オブリビオン』を観て来ました。

いつもは観てからすぐに記事にするのですが、
日本語で書く以上、日本の公開日に合わせたほうがいいのかな、
と思ってこのタイミングでのこのレビューです。

ネタバレなしでざっくりとした感想を言うと。
そこそこ面白いSF映画、です。
予測可能な部分もありますが、
「ああ、そうくるか!」みたいなところも。
キャラクターたちに深さがないので、感情移入すべきところでもしにくい、
というのはあるかもしれないです。

トム・クルーズは相変わらずいい演技。
映画全体のビジュアルも凄い。
恐らくこれが一番の強み、かな。

最高傑作だ! ほどではないものの、
面白かったので観てみて損はないかもしれません。


以下はかなりネタバレが含まれているので、
未見の方でそれを避けたい場合は読まない方がいいかも。


という訳で『オブリビオン』、
冒頭のユニバーサル・スタジオのロゴから不穏な雰囲気。
ちょっとした伏線?みたいな感じで巨大な三角形の物体が、
地球の上を浮かんでるところでさっそくにやけが止まらない。

あらすじは大体こんな感じ。
トム・クルーズ演じるジャックは、
エイリアンと人間の核戦争ののちに壊滅状態になった地球の、
機器を修理するのが仕事。
この機器がであるタイタンにあるコロニーを支えているので、
ジャックは仕事を全うしなければならない。
来週になれば責務を終え、コロニーへの仲間入りが出来る、
というところから物語はスタート。

この時点で違和感が既にマックスだったのが、この戦争に関しての説明。
辻褄があわない、と思ったのがエイリアンとの戦争に勝ったのに、
人間が離れなければならなくなった、という点。
核戦争があって人類が生きられない云々言ってる割には建物とか普通にあるしなーと。
幸い、物語はのちのちこの妙な居心地の悪さを解消してくれる訳ですが。
主人公と同じ立ち位置にいられるので脚本が上手いのかな、という印象。

世界観は古き良きSFな感じ。
全てが清潔で白くて光が反射してるあの感じ。
『ブレードランナー』や最近リメイクされた『トータル・リコール』とは真逆。
生活感がほとんどない、というか…。
汚れた雰囲気を出したリアリティを出していた上述二作と違って、
とことん綺麗に、とことん未来っぽく、と言いたげな。
最近あまり見かけないタイプなので逆に新鮮。
『2001年宇宙の旅』を彷彿とさせるような、あの感じ。
『トロン:レガシー』の監督と聞いて納得。

出てくる機械も良くも悪くもとても古典的SFで、
例えばモニターになったり司令を出したり出来るテーブルだったり、
(昔、お台場のメディアージュでこんなの触ったなぁ)
偵察をするロボットだったり(顔認識システム付き)、
トンボみたいな形の小型飛行機だったり。
サイバーパンクが人気になる前のSFっぽいな、と。


これに加えられるのがヴィクトリアと司令官のやり取り。
この機械的なやり取りがすごく冷たい印象を与えて、
「何かがおかしい」という疑惑を確信めいたものにさせる上手い小道具だと思いつつ、
どう転がるんだろうな、と考えてました。
ジャックがなんらか騙されてるのは明らかな感じなのですが、
どこをどう騙されているのだろう、と。
とてもフィリップ・K・ディックっぽい。


というのもサスペンス要素が結構多く含まれているから。
SFでは自身が信じていたものを疑い始める→真実へ、
は結構メジャーな流れだったりしますが、
真っ先に思い浮かべるのはフィリップ・K・ディック作品。
『マイノリティ・リポート』なんかは今作と同じくトム・クルーズ主演。

ラストの作戦は「まあ、そうするしかないよねー」的な感じ。
先が読めてもここらへんは特に気にならないかな、といったところ。
黒幕がHAL 9000っぽくてちょっとテンション上がりましたね。
最後にお主を見たのはピクサー映画の『ウォーリー』だったかな…?
コンピューターというよりエイリアン?なので完全に見た目だけが
「それっぽい」っていうだけですが。

爆発。
人類の大勝利。
そしてめでたしめでたし。
いやー結構普通に楽しめたなー。
さてと、劇場から出るかー。
昼ご飯何にしよっかなー…



…ん。

…ん?


んんんん?!?!???!


このエンディング必要か?!
父親に会えてよかったね的な?!
充分ハッピーエンドっぽかったからあれでいいのに!!
クローンものなら必ず出てくるようなモノローグまで吐いちゃって!!
『A.I.』の2000年後描写くらいの蛇足――いや、さすがにあれほど酷くはないか。
いや、でもあれは一応、キューブリックがスピルバーグらしさを出したかった訳で、
両者が互いを尊敬していたことを象徴するような、いいシーンでもあり――とにかく!

これに似た終わり方を最近どこかで見たような…。
あー『ダークナイト・ライジング』ですね。
爆弾を抱えて自爆作戦、からの実は生きてましたオチ。
『オブリビオン』の方はクローンだから、正確には生きてましたオチじゃないけど…。



いくつか気になった点。(劇場で数ヶ月前に見たきりなので見落としがある可能性はあります)

・他にももっとジャックはいるけどあいつらはどうなった?
・放射能汚染区域と称して互いに干渉するのを避けてた訳だけど、
こんなにクローンがいるなら過去に会っていてもおかしくはないんじゃないか?
・ビーコンの謎
・冒頭に回想入れるのはちょっと分かりやすすぎじゃない?
・何故「あと少しでコロニーの仲間入りが出来る」と伝える必要があった?
その方が信憑性があって、ジャックが騙されやすくなるから?
・主人公だけが特別だったのか、あるいはみなそれぞれ憩いの場的な場所があったのか。
・何故エイリアン?に囚われる前のジャックと〇〇の模様を録音した機械が、
宇宙船の切り離された部分から見つかったのか。

脚本が破綻するほどでもない点ですが、
SFはロジックありきなジャンルだったりするので、
割と細かく気になってしまいます。
もちろんわざと教えない手法もありますが、今回のこれは果たしてその類だったのでしょうか…?


それと。
予告編はネタバレしすぎじゃないだろうか。
確かにモーガン・フリーマンが出てるなら予告編に出さなきゃいけない、
っていうのは分かるんだけどさ…。
それじゃ実は人間はまだいる、って言ってるような。



結論。
『オブリビオン』はSF好きには物足りなく、
SFに縁がない人には「なんじゃこりゃ」ってなる可能性あり。

総合的に見て、普通に面白い映画。
けど物凄く面白い訳でも物凄くつまらない訳でもない…。

個人的にはそこそこ楽しめるSF映画、といった印象でした。




評価点: 7.4 / 10



今回はこの辺で。
では。
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