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ボウエン嬢と夢見るイヤフォン

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Seconds - 読後感想会

前からいろんなフォロワーにちょくちょく、
「読んだ本の感想は書かないの?」「本のレビューまだ?」

と言われていたので、このたび読後感想会というコーナー(?)
を始めてみようかな……と。


seconds_201412070259393de.jpg



今回は、以前から個別に書きたいと言っていたので、
Brian Lee O'Malleyによるグラフィックノベル「Seconds」の感想です。


内容にも結構触れているので、
ネタバレを避けたい方はご注意を。



では早速いってみましょう!


ケイティは有名レストランSecondsの元料理長。
今は新しいレストランの建設完了を待つ身。

四年前、仲間たちと共に過ごしたSecondsでの日々。
しかし、今そのときの仲間たちはみんないなくなってしまった。

上手くいっていたはずの新レストランの建設過程で問題が起こり、
とっくに忘れたはずの元彼が急に現れ、
Secondsでのウェイトレスが厨房での事故で大怪我を追ってしまう。

一気に降りかかった災難。
誰にだって二度目のチャンスがあるはず。

そう思ったケイティが取った行動は……。








「Lost at Sea」と「Scott Pilgrim」シリーズの作者の新作ということで、
こんな感じにだいぶ長いこと楽しみにしていた本作。

前者が特に好きなのですが、日本語未訳。
Scott Pilgrimのほうは訳されてるので、是非英語が苦手な方も!


スコット・ピルグリム VS ザ・ワールドスコット・ピルグリム VS ザ・ワールド
(2010/12/10)
ブライアン・リー・オマリー

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今回の「Seconds」はコメディ寄りなのか、あるいは悲しい話なのか、
それが気になっていたのです。

読み終わった今、今回のは半々といった印象です。
「Lost at Sea」ほど悲しくないけれど、「Scott Pilgrim」ほど直球コメディでもないという。
好みなバランスです。


ここからネタバレ全開なので、
気になっている方は読了後に戻ってきてください!














あらすじにはネタバレになるので割とぼかして書いたのですが、
今作には魔法のキノコという重要なアイテムがありまして。

これがケイティに二度目のチャンスを与えることになるわけです。


ルールは以下の通り。

1. 間違いをノートに書く。
2. キノコを一つ食べる。
3. 眠る。
4. 新しい一日に目覚める。


しかしこのルールを守ってもやり直せるのは、
Secondsで起こったことだけ。

これが始めはどういうことを意味するのか、
私には分からなかったのですがケイティが次第に
過剰なまでにやり直すようになって、気付きました。


きっと頓挫した新しいレストランのほうのことも
やり直そうとするんだろうな、と。

もちろんそれは与えられることのない機会なわけで、
ケイティがそのことに思い至るシーンが物凄く見ていて苦しい。

やり直しているとき、
全体的に赤みがかっているのが印象的。


大怪我を負うウェイトレスである、ヘーゼルが可愛い。

ケイティは幾度もやり直しを重ねる内に、
彼女のことを段々知っていく……

seconds01.jpg

のですが、やり直しを重ねたが故に、
仲が特に良くない未来に辿り着いてしまうこともあり。


過去をやり直すと現在に戻ってきたときに、
自分は一体誰の人生を歩んできたことになっているのか。

果たしてみんながこう接してきているのは、
本当に今までの自分と同じなのか。


なんだか「バタフライ・エフェクト」を彷彿とさせる感じです。
「STEINS;GATE」らしいコンセプトと言ったほうが、ピンとくる方もいるかな。



それに加え、キノコを与えた守護霊・リズとケイティの対立。

seconds02.jpg

ケイティがルールを破ってまで過去を変えてしまいたい、
その自己嫌悪にも似た気持ち。

そしてケイティのエゴが生む、リズの傷。

終盤は読み進めるのが辛く、しかしそれと同時に
どうやって終わるのか気になって葛藤していました。



総括。

一筋縄ではいかない世界の、
苦さや甘さを上手く表現している作品だと思います。

やり直したい、と考えたことのない人は
多分ほとんどいないと思うのですが、それが周りに、そして自分にどういった影響を与えるのか。

いい面だけではない、そんなリセットをカラフルに
切なく、そしてくすりとくる話に仕立て上げるO'Malleyはさすがだな、と。



そんな感じです。
機会があったら是非、手に取ってみてください。

今年出版されたグラフィックノベルだと、
断トツで一番好きですね、これ。

アメコミを読むことはあっても、
カナダのコミックを読んだことのある方はそんなにいないのでは……?

そんなわけでこの作者には、
これからのカナダのコミックシーンを引っ張っていってほしいな、なんて思います。


では今回はこの辺で!
ではまた!


Seconds: A Graphic NovelSeconds: A Graphic Novel
(2014/07/15)
Bryan Lee O'Malley

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