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ボウエン嬢と夢見るイヤフォン

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映画レビュー 「スーサイド・スクワッド」

SuicideSquadPoster.jpg

8月6日に「スーサイド・スクワッド」を観てきました。
DCエクステンデッド・ユニバース最新作。


以下ネタバレなしのレビューです。




世界崩壊の危機に、政府は
服役中の悪党たちによる特殊部隊"スーサイド・スクワッド"を結成。

命令に背いたり、任務に失敗したら、
自爆装置が作動する、まさにスーサイド(自殺)な状況の中、

愛するジョーカーのことしか頭にないハーレイ・クインと、
正義感も団結力もない寄せ集めの10人の悪党たちは、
一体どんな戦いを魅せるのか?

-公式サイトより




とあらすじはこんな感じ。

最初に細かいようですが、言っておきたいことが。
スーサイド・スクワッドは悪党十人の集団ではないです。

悪党六人+政府派遣二名の計八名。
一体どういう数え方をしたかは分かりませんが、気になったので。


改めて映画の話を。


間違いなく自分の中では
DCエクステンデッド・ユニバースで一番好きな映画です。

マン・オブ・スティール」と「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」の
二作品しか比較対象がないのでアレですが。



思った通り、マーゴット・ロビーの演じるハーレイ・クインは完璧でした。

実写化する際は程よい狂気のバランスを見つけなければならないんだろうな、
と思っていたら難なくその丁度良い壊れ具合を演じ切っていました。

アニメの雰囲気を再現し過ぎてしまうとただの鬱陶しい人になってしまう、というのもあって
人間性の欠片が垣間見える、このアプローチの仕方は正しかった気がします。


ウィル・スミスの演じるデッドショットと、
ジャレッド・レトの演じるジョーカーの二人との相性が特によかった印象。

グループ内でもかなり目立つ役割だったように思います。



それにしてもどれだけハーレイ・クイン好きなんでしょうね、この人は(呆れ)
「スーサイド・スカッド」表記なのは原作の翻訳版が、スクワッドではなくスカッドだった為です。



デッドショットですが、ウィル・スミスが演じているだけあり
カリスマ性がとてつもない。

過去が掘り下げられる数少ない登場人物の一人なのですが、
その回想シーンもよくまとまっていました。
今後の展開が楽しみになります。



ジャレッド・レトはジョーカーを演じるにあたり、物凄く苦労をしたと思います。
「ダークナイト」のヒース・レジャーとどうしても比較されてしまうと思うので。

彼は与えられた素材で出来ることは全てやった気がします。
出演時間はそう多くないので、今後どうやってこのキャラクターを広げていくかに期待。

現時点ではあまり好きではないジョーカーです。
ギャングのボスといった立ち位置で、金と権力がありすぎるような。

自分は少なくとも、このキャラクターに必要な不安定さや
相手に恐怖感を精神的に与える面は見えてきませんでした。

あと、やたらハーレイのことが好きなのも気になります。
ある一つのシーンを除いて、終始違和感を覚えていました。



最近だと「ターミネーター: 新起動 / ジェニシス」で見かけたジェイ・コートニーですが、
キャプテン・ブーメランとしてなかなか面白かったです。

不安でしたが、こういう役のほうが合いますね。



個人的に一番驚いたのはエル・ディアブロでした。

ジェイ・ヘルナンデスの演技がいいのもありますが、
良い具合にキャラクターが掘り下げられていていた印象。


あとはアマンダ・ウォーラーを演じるヴィオラ・デイヴィス。
下手したらメインの悪役より怖いんじゃないか、と思うほど。

これまたとあるシーンがちょっと不可解なことを除けば、
かなりよく練られたキャラクターだと思いました。

序盤、登場キャラの解説文が多いのが気になりましたが
こちらは全員に回想シーンを与えるわけにはいかない、ということを考慮すると、
ある程度は仕方ないのかな、と。



話の内容は並。
特に第三幕は何度も何度もアメコミ映画で観てきたものです。

せっかく最近だと「シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ」が
このパターンから抜けることが出来たのに、またしてもこういう展開か、と。

悪役自体はネタバレになってしまうので明かせませんが、
空にビーム状の何かが放たれていて、それをみんなで止める、
という展開、一体何度観てきたことか。


なんとなく二作目以降にやる内容な気がしたのです。
最初はもう少し小さめの任務でもよかったような。

ある国で紛争が起きているから、
政府が彼らを送って首謀者を暗殺してもらう、などなど。
こうした展開にした理由も分からなくはないですが。

でもそうするとやはり、この間バットマンやワンダーウーマンやフラッシュは
一体どこにいるんだよ、という話になりますね。

彼らに頼らず悪党に頼る理由も少しは説明されますが、
正直何かが足りない印象を受けるのも確かです。


バーでただひたすら会話するだけのシーンが
この映画で一番よく出来ていたシーンだという印象を受けたので、
もう少しキャラクター自体の関係性が描ける作品にしたらよかったかも、
と思わずにはいられません。



編集はなんというか、所々めちゃくちゃでしたね。
一貫性のなさがひどかったです。

あのキャラがここにいたのにいきなりそっちにいたり、
話が地味にすっ飛んだり。

かなりの映像がカットされていたような印象を、
いくつかのシーンで感じました。

全体的に見ると、
あまり再撮影をしたようには思いませんでしたが。



再撮影と言えば、ユーモア要素を思い出しますね。
ジョークが少なく、追加で撮影がされたとのことだったので。

やっとDCコミックもコミック原作らしく、
楽しい部分は楽しさを表現してもいいんだと気付いたようです。

暗さの中にもくすっときたり大笑いしたりする部分があってもいい、
と自分は思っていたのでこれは好印象。

コメディ映画にすることなく所々ユーモアを入れるのは、
会話にも自然さが生まれるので良いと思いました。



粗が目立つ作品ではありますが、
この調子で続けていけば、ずっとマーベル映画の一人勝ち、
なんて状況じゃなくなるのも時間の問題な気がします。

とにかくキャラクターにあった雰囲気やストーリー、
そして世界を構築してほしいです。




評価:

7.2 / 10




以下ネタバレありで、
気になったところ・気に入ったところを挙げていきます。

本編を観ていない方はご注意ください。




















・スリップノットの存在意義

みんなカラフルな人物紹介があるのにスリップノットだけない時点で、
ああ、こいつさっさと死ぬな、と。

途中参加なのも死亡フラグ立ちまくり。

Suicide_Squad_issue_9.jpg

恐らくこちらの「Suicide Squad #9」のオマージュだと思われます。
この号のこのシーンかな、と。

ss9.jpeg

キャプテン・ブーメランが誘って
それにスリップノットが乗っかるところまで同じですね。

そうは言うものの、こういうオマージュだという知識抜きで考えると
本当スリップノットはただ爆弾の証明の為だけに出てきた印象を受けますよね。

というか実際そうか。あっけなく首爆発しましたしね。



・ジョーカーの飛び込み

「ある一つのシーンを除いて、終始違和感を覚えていました」
と書いたシーンが飛び込みするところ。

酸性の液体にハーレイが落ちたあと、
ジョーカーはそのままその場を去ろうとします。

若干の葛藤の末に、彼も飛び込んでハーレイを助けるわけです。

この部分はジョーカーらしいな、と思っていたのですが、
それ以外はちょっとハーレイのことを溺愛していたような、
とにかくキャラにいまいち合っていない印象。

ハーレイの片思いで、ジョーカーは彼女を都合のいい駒としか見ていない、
というのがこれまでの設定だったので。



・アマンダ・ウォーラー

どんでん返しがあるよ、という発言自体がネタバレになるので
レビュー自体には書かなかったことです。

スーサイド・スクワッドが救出しなければならない人物は、
任務の命令を与えていたアマンダだった、という。

個人的にこの展開は予想していなかったので、
結構楽しめました。

そうは言うものの、この部分がキャラに合っていないと思うところでもあります。
アマンダはこれまで任務を手伝っていたエージェントを殺します。
権限がなかった、という理由のみで。


デッドショットやハーレイといった悪党のほうに
人間味を与える為なんだな、というのは嫌というほど分かったのですが
なんだか微妙なシーンだな、と思わずにはいられませんでした。

機密事項を操り、弱みを握って人を動かす人物ではあるものの
人殺しをさせるのは少々やりすぎじゃないかな、と。



・エンチャントレス

エンチャントレスがメインの敵だ、
というのも意図的に書かなかったことです。
マーケティングではスーサイド・スクワッドの一員として扱われていたので。

やっぱり一作目でやるには少し魔術は早すぎた気がします。
恐らく「Justice League Dark」に繋げる為に出したのでしょうけれど……。

レビューでも書いたように、もっと等身大な任務がよかったような。
こんな脅威、フラッシュが駆けつけているはずです。

とにかくこのスーサイド・スクワッドの面子でなくてはならない理由が
もう少しだけほしかった。


あと、フラダンスみたいな動きにくすっとしてしまいました。
首と体の動きがいまいち合っておらず、一体私は今何を見ているんだろう、と。



・クレジット後

フラッシュが駆けつけているはず、と先述しましたが
自分の中でそうならなかった説はあります。

アマンダ・ウォーラーとブルース・ウェインが会話するシーンですが、
ここでフラッシュなどの資料をもらうのが見えます。

「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」の監視カメラ映像や、
本作のキャプテン・ブーメランの捕まる回想シーンから、
強盗といった一般的な犯罪以外のことに立ち向かう気はないんじゃないかな、と。

まだまだスーパーヒーローというよりかは、
能力を持った若者止まりなのかな、なんて考えてます。



アマンダが疲れ気味なブルース・ウェインに言う台詞が完璧すぎる。
「疲れてるようだから、夜の仕事を控えたら?」

企業の社長は夜まで仕事をしている、と思ったゆえの言葉か
あるいはバットマンとしての活動を知っているのか。

どちらとも取れるニュアンスだったのがよかったです。


それに対してブルースはジャスティス・リーグを作るから、
スーサイド・スクワッドを解散させろ、といった旨を伝えます。

……いや、あとからチーム結成する決意をしておいて
一体何を言ってるんだね君は。



・消えたシーンたち

ジョーカー関連で消えたシーンがかなりたくさんある、
という情報が飛び交っています。

実際、彼の周りは継ぎ接ぎ編集だったので
想像に難くないです。

特にクラブでのシーンはもはや何が起きているのか分かりませんでした。
なんの意味があるんだろう、とずっと考えていたのですが
どうやら大部分がカットされていた模様。

ハーレイとジョーカーの歪んだ関係を描くところになるはずが、
なんだかんだで取引相手?が殺されるよく分からないシーンに。


DCエクステンデッド・ユニバースは従来の映画の作り方をしています。
チームものがあって、そこからスピンオフ作品が派生する、という。

比較しすぎるのもよくないですが、マーベル・シネマティック・ユニバースは
これを逆にやったことでかなり上手くいった気がします。

いわゆる"スピンオフ"である個々の話を先に描き、
チームものを最後に持ってくる、という具合に。

なのでこういった登場人物の多い作品で、
回想シーンがあったりなかったり、というちぐはぐさが生まれないのかな、と。


本作品は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」とよく比較されていますが、
あの映画はほぼ無名なキャラだらけだったのに対し、
本作はハーレイ・クインやデッドショットやジョーカーといった、
ファンも多い有名なキャラクターばかりです。

なので回想に取り入れる話を
かなり削らなきゃいけなかったのではないでしょうか。

それが結果的に出来の粗さにも繋がった気がします。



・ロビンを殺したのは誰?

ハーレイ・クインの紹介映像の際に一瞬だけ
「Accomplice to the murder of Robin」という文章が出てきます。

ロビンは既に死んでいる、というのは
「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」を観ていれば
なんとなく分かったことかな、とは思います。


ジョーカーがやったんだろうな、というのは分かりますが
既にハーレイ・クインも一緒に行動していた時期、ということになります。

ロビン殺害の共犯者、なんて書かれるくらいですから。
でもだとすると少々辻褄が合わない気がするのです。
ジョーカーとハーレイ・クインがあんな見た目で30代後半という設定なら話は別ですが。




このIGNとのインタビューでザック・スナイダーは、
「ロビンが死んだのはBvSの約十年前」と述べています。

バットマンが活動開始してから
少なくとも二十年は経っているように思えます。


だとすると途中で相棒であるロビンが殺されているわけですが、
十年前というとジョーカーは何歳なんでしょうか?

そして共犯者、と書かれているからにはハーレイ・クインもいたはずです。

このとき既にハーレイだったのか、
ハーリーン・クインゼルだったかは定かではないですが。

少し無理がある設定だと思うのは自分だけでしょうか。

「スーサイド・スクワッド」の回想シーンを顧みても、
ハーレイとジョーカーの関係が十年以上続いているとは思えません。

この辺り、非常に気になるので今後の映画で描いてもらえたらな、
と密かに期待してます。



以上、気になった点や気に入った点でした。

だいぶ長くなってしまいましたが、今回はここまで。
ではでは。
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